自家組織による乳房再建術後の固定について

自家組織による乳房再建後の圧迫について

乳房再建術後の固定は、インプラントで再建をするのか、自家組織で再建をするのかによって異なります。
7月末のアラガン社のインプラント、エキスパンダーの回収がありました。
その後、10月に新たなインプラント、エキスパンダーが保険適用になりましたが、今後はどうなっていくのでしょうか?しっかり注視していきたいと思います。

アラガン社の回収後、自家組織での乳房再建が増えている様で、サラマシェリへのお問い合わせ件数が増えています。
サラマシェリをご使用の病院様がおっしゃっていましたが、
「今までであれば、 自家組織での乳房再建は年間で10件もなかったが、今のところ20~30件くらいの術件数のペースになっている。
今後のインプラントの術件数が回復していくのかわからないが、確実に自家組織での再建が増えている。もっと件数が増える可能性も十分にありそう」との事でした。

ここ数年、インプラントで乳房再建が注目が集まっていましたので、自家組織で再建した場合の圧迫固定の情報が少ないと思います。

そこで今回は、自家組織で乳房再建した場合のニッパーでの圧迫固定について、説明したいと思います。

1.自家組織で乳房再建:下腹部ニッパー、ウエストニッパー

1.腹直筋皮弁法による乳房再建

神戸大学病院様からお借りした画像です。

腹直筋を使用して乳房再建(腹直筋皮弁法)をされた方の、術後の圧迫にご使用頂いております。

腹直筋皮弁法ですと手術後、腹筋が弱くなるため、腹壁瘢痕ヘルニア腹部膨隆(腹壁弛緩)になる事が心配されますので、事前の予防用としてご着用頂いております。

年単位での圧迫が必要になる場合が多いとお聞きしておりますので、2枚のご用意がおススメですが、難しい場合には、まずは1枚ご用意頂き、ご様子を見て 2枚目のご注文をご検討くださいませ。

2.広背筋皮弁法による乳房再建

神戸大学病院様からお借りした画像です。

脂肪吸引術後用として開発したウエストニッパーですが、広背筋皮弁法(乳房再建)後の着用にもお勧めです。
傷口を押さえるだけでなく、手術後、体内から染み出た血液や浸出液は腰のあたりに留まりやすくなりますので、ウエストニッパーで腰をしっかり締めて血腫や浸出液が溜まることを予防します(圧迫期間は術後半年~1年程度です)。

※水がたまると聞く事があると思いますが、実際は、血腫や浸出液 の事になります。

広背筋皮弁法(乳房再建)後の着用にも圧迫が強いウエストニッパーが良いので、「アウトボーンウエストニッパー」がお勧めですが、ウエストニッパーなど着用する事が初めてで体を圧迫し続ける事が心配な方は、「ウエストニッパー」をご使用下さいませ。
着続けて頂きます事がとても大切になりますので、着続ける事を優先してお選び頂きますと安心でございます。

2.まとめ

自家組織による再建術後(腹直筋皮弁法、広背筋皮弁法)の圧迫について、ご説明してきましたがいかがだったでしょうか?それぞれ術後の圧迫の目的をご理解頂きまして、経過に合わせて圧迫をしていただきます事が大切になります。商品選びなどでご不明な点がございましたら、お気軽に「お問い合わせ」からご相談下さいませ。